昨年のレースでは不運に見舞われ3位に終わったヤン・フロデノがついにアイアンマンハワイを制した。 北京オリンピックでの金メダル、今年のアイアンマン70.3の世界選手権タイトルに続き最も歴史のある10月のビッグレースのタイトルを獲得。 これで主要3フォーマットのレースディスタンスを全て手にした。
レース当日は強い風は感じられないものの、高い気温と湿度によりサバイバルレースの予感させるが一日となった。
スタートの号砲が鳴った後は順当にスイムの得意な選手がリードし、最初にスイムアップしてきたのはディラン・マクニースだった。 続いてアンディ・ポッツ、ヤン・フロデノとトップを射程圏内でバイクへと移る。
第一パックから遅れること1分30から2分の間にロマン・ギューム、ポール・アンブローズ、イワン・ラーニャ、ティム・オドネル、ファン・バークル、ルーク・ベル、セバスチャン・キーンリー、ベン・ホフマン、エネコ・ヤノスなどが連なる。
バイクで第一パックに追いつきレースをリードしたのはマーク・アレンをコーチに迎えたティム・オドネルだった。 フロデノ、キーンリーたちのドイツ高速バイカーたちに混じりアメリカ期待の海軍兵オドネルがトップグループを引っ張るのはいささか意外な展開だった。
そこににに若いロマン・ギューム、ヴァン・リルデ、がつき、アンディ・バーシェラー、ベン・ホフマンもやがてトップのパックへと加わってくる。
トップはキーンリー、フロデノ、オドネルがドラフティングゾーンに入らない距離を保ちながらトップを入れ替えフィールドをリードしていく展開になり、終盤の所で追い風を利用したフロデノが抜けだしバイクをトップでフィニッシュ、そのままランでのリードへとつなげていく。
ランに入ってもペースが落ちずリードを広げていくフロデノに対し、2位以下は混戦状態に入っていた。 オドネルは2位を死守してはいるものの首位との差は開くばかり、キーンリーも3位をキープするのがやっとの状態で足色は悪い。 やがてカンドパックの選手からの追い上げを受け、ずるずると順位を下げていくことになる。 その中でも抜群のスピードで順位を上げてきたのがここ数年不調に苦しんできたアンドレアス・ラエラートだった。8位でT2を飛び出してから10マイル地点のパラニ・ロードまでには4位まで上がり、2位のオドネルまで約3分、トップのフロデノまで5分と完全に勢いに乗っている状態だ。
ラエラートがオドネルをとらえさらにフロデノを追撃モード全開になった時、3分あった2位との差が90秒まで縮まっていた。 しかしフロデノがそこで再スパートをかけ差をさらに広げにかかる。 そしてそのままペースを上げ続け3分までセーフティリードを築き上げ、念願の初優勝となった。 2位には素晴らしい追い上げでラエラートが入り見事な復活を証明、オドネルは自己最高の3位を獲得した。 また、優勝時にはフィニッシュゲートでトップ3の表彰台と初のシャンパンファイトが行われたのが新鮮だった。
2015年 GoPro アイアンマンハワイ チャンピオンシップ
プロカテゴリー順位(男子)
- ヤン・フロデノ
- アンドレアス・ラエラート
- ティム・オドネル
- アンディ・ポッツ
- タイラー・バターフィールド
- シリル・ヴィノー
- エネコ・ヤノス
- セバスチャン・キーンリー
- ブレント・マクマーン
- ボリス・ステイン