東京都国体候補選手合宿
総評
これまでの合宿を含めても、とても良いデータメイクができた期間だった。データを蓄積し、「カイゼン」をし続けることで得られるゲインは、11月お台場に開催が決定した日本選手権での結果につながると心から感じている。今回、実際に来ていただいたスタッフ、コーチ、他選手、そして合宿会場に居なくとも、オンラインで管理をしてくれたスタッフに感謝をしたい。そして何より結果で返したい気持ちでいっぱいだ。
合宿初日、移動。
二日目、朝はゆっくりウォーキングから入り、芝生のトラックでジョグ。これまで回数を重ねた高地トレーニングから、高地順応をいかに丁寧に行うかで後半戦のパフォーマンスが変わることがわかっているのでこの日、そして翌日も焦らず。バイクもアップダウンをサクッと。スイムも身体をほぐしていく。前の週のスイムの感覚が良くなかったのもあり、フォーム修正を兼ねていく。
三日目、高地による眠気、回復スピードも考慮しながら朝ウォークとジョグ。朝食後はバイクで登り続けるヒルクライム90分。ケイデンスとギア比を軽くしすぎない、重すぎないところを探しながら登る。エアロビック週ではあるが、耐乳酸週で培ったようなパワー系の刺激入れ程度でもしっかりとワットが出ていることが確認できた。フロントシングルで苦戦しないように、リアを32T-11Tに換装。これが功を奏し、テンポメイクもうまく心拍もターゲットゾーンで終える。
四日目、午前中のバイクは少し強度が上がり、登り5分30秒程度のFTP走ができる周回を9周回。最大心拍が凸りすぎないよう丁寧に高いところを当てていく。他の選手との駆け引きもあり、実戦形式感。相手のギアの替える瞬間、ダンシング、速度を上げるところをしっかりと見て、感じて、踏み込む。ラクをするところはとにかくラクをする。レースで活きてくるところだとヒシヒシ感じる。午後のスイムもしっかりスピードを出す。ただ、がむしゃらにではなく、綺麗に。「ラクそうに速く泳ぐ」このキーワードを常に持ち挑んだ。その後のジョグは疲労抜き。大きな呼吸でリラックスして走り、合宿の後半戦に準備する。
五日目、午前中に芝トラックでラン。レースペースでの酸素消費や心拍、所感を記録し、現在の能力値、高地順応をチェック。高地、気温、疲労、芝、様々な異種要因を含めたベンチマークをつけることでより効果的なゾーンを探る。午後のスイムはリカバリースイム。3種木の中で身体的疲労度の高いランセッションからの素早い回復を目指す。
六日目、同じく午前中に芝トラックラン。前日のベンチマークを活用し、よりボリュームのあるトレーニングを実施。実験と結果、考察を繰り返すことで、いち選手としての個性や特性をあぶり出す。強み、伸びしろに磨きをかけていくことはもちろん数日ではできないが、何万時間も費やすことなく素早くたどり着くために必要だと思っている。前日同様に、リカバリースイムに加え、刺激入れ。水中での身体の反応、刺激はキープする。

最終日、午前ラン。10×400。月末に行われる強化記録会に向けたところも含め、力まないギリギリのゾーンを狙っていく。言い方良くも悪くも「気持ちの良いゾーン」の上限。もちろんこれだけでは強くはなれないが、この動作確認、心拍への刺激はとても重要。高地での環境に感謝し、終える。