2019 ロングディスタンス日本選手権 佐渡大会

日時:9月1日(日)

スタート:7時20分

順位:5位

種目別:スイム3位、バイク7位、ラン7位

総評

 昨年度9位から5位へのジャンプアップ、タイムも縮まっている点が良かった。また、戦略的に給水地点での身体冷却を図り、心拍数の上昇を避け、ラン後半での復活ができた点に、成長を感じた。しかし、理論的に“復活”ができた訳ではなく、血糖値を上昇させて“スイッチ”が入ったタイミングがたまたまそこだったところ、自分の体質の理解と勉強をもっと深く理解する必要があると感じている。来年こそTop3。

8月30日 

<移動日 東京〜佐渡 旅のホテルに宿泊>

輪行はキャスターのついたハードケースで。駒澤大学駅を5時に出発。東京駅6時発新潟行き。新潟駅から新潟港まではタクシー。ジェットフォイルで1時間揺られ、天気大荒れの両津港。港でランチを済ませ、きがるにレンタカーでバンを借り、旅のホテルへ。

チェックインまではまだ少し時間があったが、体育館?でバイクを組み立てができ、保管してもらえるスペースを利用。ホテルスタッフによるバイクの監視、バイクラックやコンプレッサー、扇風機まで用意してもらえたVIP感。来年から手放せないと思いました。

チェックインもスムーズに済ますことができ、ストレスフリー。部屋はシングル。驚いたのはIHキッチン完備だということ。これレース前に無理に食べに行かなくても良くなってしまう。来年はギリギリまでパスタで挑みたいと思う。(もちろん佐渡ならではの料理もレース後にたらふく食べたい) そしてホテル内のWifiも部屋でもロビーでもスムーズ。大浴場もすごい。シャンプー、コンディショナー、ボディーソープもいい香りが身体を覆う。1番気に入ったのはシャワーを引っ掛ける位置。ここは右のシャワーとの仕切りにあり、座ったまま、頭にかけ流しができる。普通なら正面の鏡の右側についていて、椅子からすこし手を伸ばさないとシャワーヘッドの向きを変えることができない。脱衣所のアメニティも豊富かつ高品質。

「旅のホテル」はホスピタリティが溢れている。

午後は天気も回復、組み立てたバイクのチェックと刺激入れに出る。

選手権、Bタイプのコースは前半は交通規制がこの日はかかっていないので交通量もあり、あまり乗りたくはない。ので、Aタイプの前半の海岸沿い20kmを往復。すこぶる調子がいい。楽しく乗れていたので、もう少しだけ、なんて思ったが、ワットをしっかり確認しながら、我慢。本番にこの楽しみを残しておこう。

8月31日

<選手登録・競技説明会 プールスイムとラン>

 朝は旅のホテルでバイキング。なんと牛乳は佐渡でしか飲むことができない佐渡牛乳。正直これだけでも最高だ。

会場付近の海はクラゲだらけとの情報が事前に入っていたので、午前中は真野にある市民プールでスイム。SADOキャップを被った子たちのとなりで泳ぐ。そのままラン。バイクに対してランはあまり調子も良くなかったので、つまらなくなる前に退散。

午後は選手登録と説明会。

大会でレース中の次に楽しいのが出店ブースでのコミュニケーション。いろんな選手やお店の人、急遽呼ばれてお手伝いをしている知人などと話す時間はリラックスできるとても好きな時間。 

9月1日

<大会当日>

さて、ここからはようやく大会の内容。

朝はYoutubeを見ながら、暖かいコーヒーと、ヨーグルトにハニースティンガーを入れて食べる。←これかなりおいしいのでオススメです。(ヨーグルトに普通のはちみつ入れてる味です)

会場到着

とてもいい天気。

ウォーミングアップはショートディスタンスに比べるとはるかに少なめ。

スイムアップでは、波が高くてファーストブイが見えないのを確認。

選手コール

「緑眞会・サニーフィッシュ 浅海健太!」

スタートグリッドは左から詰めていく形になった。6番目。

そしてスタート。

かなり遠浅で、脚の長い選手が走り続ける。左端からスイムで進む選手を横目にドルフィンスルーで稼ぐ。そしてここでスイムの速い2名の選手が左に浮くブイに向かってしまう。ファーストブイは真正面にある。どんどん進む2名の選手。浅海は3番手。4番手でベテラン選手が後ろにいる。

なんとか途中で気付き、修正。セカンドブイからAタイプの選手と交錯。避けながらなるべく真っ直ぐ泳ぎ進む。引き続きサードブイも2名逃げ、浅海含む3、4位追走集団。その後ろは1分くらい。

スイムフィニッシュ。スイムスキンを腰まで下ろし、トランジットで脱ぐ。スイムスキンのお陰でかなり楽に泳げた。心拍も落ち着いている。

この時点で3位。

バイクスタート。

VENTUMのTTバイクにフロントホイールはZIPP808、リアはZIPP SUB9。

ここからは前を追いつつ、ゴリゴリパワーモンスターたちから逃げる戦い。が、10km過ぎに早速ひとり交わされる。いつかは、とイメージはしていたが、こんなに早いとは…。無理せず追わないでいく。もうひとり交わされたところで、いいペースで進む選手だったのでしっかり12m離れてペーシング。お互いになんとなく5~10km毎、前後12m間隔で協調体制をとる。

 

そして中盤の狭くコーナーの続く下り道。ここで安全マージンを取りながらも、しっかり攻めるライディングができた。バイクが倒しやすい。TTバイクの懸念材料のひとつを解消したVENTUMが功を奏したと感じた。アドバンテージを作り、この後に迎える激坂に向けてアプローチをする。

 

激坂。ダンシング、シッティングを交互に織り交ぜて攻略していく。ただ、ここで急にケイデンスを上げても身体がびっくりしてしまうので、スムーズに。そして速度が落ち、風が当たらない、日は当たる場面では特に水を浴びる。体温を下げることは心拍数の上昇を抑える。下りは小さく、パワーに頼らず。口に空気が入り、ほっぺが揺れ出す級の速度は何度やっても楽しい。

 

トランジット手前のバイクコースは昨年から変更になり、小道に入る。DHバーを持つタイミングはない。し、とるよりも身体をランモードにしたい。

この時点で5位。

ランスタート。トランジットに置いた凍らせたスペシャルドリンクを両手に走り出す。流行りのポカリスウェット、アイススラリーだ。最初の給水ポイントまで少し距離があった+ペースが上がらないタイミングで時間もかかるので2つ備えた。飲みながら、第1給水ポイントで思いっきり水を浴びてやろうと決意。

 

そして給水ポイントを超え、すこしするとロケットがついたかのようなベテラン選手に抜かれる。「5位までが賞金だから、粘れ!」声をかけてもらえた。

 

いや、よく考えたら、いま抜かれたから6位になってしまったじゃないか。

 

でもペースが上がらない。

特に身体に異常があったわけではなく、ただただ疲弊していた。

そして8km地点辺りの登りで、もうひとりに抜かれる。7位に転落。

 

折り返し10.5km辺りの給水ポイント。コカコーラを投入。

この直後、一気に元気が湧き出てきた。

 

下りも相まって、平坦でもペースがぐんぐん上がる。登りで抜かれたひとりの選手を交わし、10.5kmから15km地点までもうプッシュ。笑ってしまうくらい身体が軽い。とはいえ流石に15km地点から17km地点まではすこしペースダウンで休憩。

 

と思っていると、もうひとり前の選手が見えてきた!

 

これはもう一度プッシュするしかない。ラスト2kmでようやくキャッチ、そのままペースをプッシュしてようやく会場に帰ってきた。

 

両親が迎えてくれたフィニッシュ手前。コカコーラパワーも切れかけ。

 

ヘトヘト。

 

一年ぶりのミドルディスタンス、5時間の戦いは5位で終える。(昨年度9位) 

大満足!ではないが、ランの後半に復活したあの感覚は大切にしたい。

 

そしてフィニッシュ後のリカバリーゾーンでのおしゃべり。抜きつ抜かれつを経た戦いを振り返り。この時間はみんなが笑顔になる。

 

来年こそ。

 

自分の身体の特性を、コーチや支えてくれている方々に相談しながら、限界まで振り切れるパフォーマンスを出すためにトレーニングをしていきたい。

 

最後に、会場でも、ライブ中継からも、沢山の応援をありがとうございました。

次はコンチネンタルカップ村上大会、大阪大会、そしてお台場での日本選手権になります。どれも大きく、重要なレース。しっかり戦います。

引き続き、よろしくおねがいします!

 

浅海健太