レースレポート 
寺澤光介
レース名:2023 World Triathlon Multisport Championships (Ibiza, Spain)
日時:2023年5月7日(日)
開催地:スペイン、イビザ島
距離:ロングディスタンス(スイム3km、バイク116.2km、ラン29.2km)
天候:曇り/晴れ 気温:19〜25℃ 水温:20.9℃
レースウエア
トライスーツ:HUUB(ノースリーブタイプ、ポケットなし)
ウエットスーツ:Hi-RIDGE
アームカバー:CCN
結果(/43人)
1位 Clement Mignon (FRA) 5:17:17 
2位 Antonio BenitoLopez (ESP) 5:17:49
3位 Matt Trautman (RSA) 5:19:52
30位 寺澤光介 5:46:58
目標はIRONMANプロカテゴリーライセンス発行基準である1位の選手からタイム差12%以
内でフィニッシュすること。
スイム 0:38:27(18) T1 0:2:49
時計回り1周3000mのコースを1周回。ビーチスタートでまずは沖へ660m直進。90°に曲がり浜を
右に見ながら平行に730m直進(1390m)。そこから4つのブイを鈍角に曲がりながら
640m(2030m)。浜を左に見ながら平行に760m直進(2790m)。ここまでは右にブイを見ながら
泳いだが、最後だけ左に見てブイを90°に曲がり浜へ210m戻ってくるコース。
真ん中よりも右側からスタート。リアクションが少し遅れてしまったが、焦らず前の選手についてい
く。2つのパックに分かれ、自分は右側のパック。左のパックが前にいたが、気づいた時には追い
つける距離ではなかった。その後はその(第2?)パックの中で泳ぎやすい位置まで前に上がって
いく。2000m手前までは2人の選手が並んで泳いでいる後ろにつくことができ楽に泳ぐ。徐々に後
ろの選手が前に出てきて、周りに選手が多くなる。2790mまでの直進では他選手とのコンタクトも
あり、泳ぎづらい状況になった。そこで少し順位を落としたと思う。最後の210mの直進では選手が
散らばったが順位はあまり変わらずにスイムを終える。
バイク 3:08:59(36) T2 0:03:17
全体的にアップダウンの多いコース。周回地点までのコネクションコースを1.7km、そこから
56.3kmを2周回、その後トランジションエリアまでのコネクションコース1.9km。GARMINデータで
はトータル116kmで獲得標高1300m。天気は曇り、気温も低くアームカバーに水をかけると少し肌
寒く感じた。水分補給は前にハイドレーションボトル750mml、サドル後ろに750mml、ウエアの中(
胸)に750mmlを用意し、いずれもKODA Electrolite Powder Matchaを溶かす。1本分を残して
バイク終了。補給食はKODA Energy Gel6本をフラスクボトル2本に分けて用意し、30分毎に摂
取した。
また、今回ドラフティングセンサーがバイクに取り付けられ、走行しながら選手自身が前の選手と
の距離を知ることができた。
バイクスタートして、まずは前の選手を追う。周回コースに入り、大きなパックが遠くに見える。すぐ
後ろには誰もいない。Thiago Vishal(BRA)選手を追い越す。その後、Peter Szilagyi(HUN)選手

に抜かされるが、Vishal選手と3人のパックで落ち着く。15km手前でJoe Skipper(GBR)選手率い
る4人ほどのパックに抜かされるが、パックに乗ることができない。その後、パックは終始Vishal選
手が先頭でペーシングする。Zoltan Petsuk(HUN)が前から落ちてきて4人のパックとなる。そのま
ま1周目を終えたが、主観的な強度が高く感じた。パックは上り坂が速く(出力が高く)、逆に下り坂
はスピードにあまり乗れていなかった(出力が低い)。そのペーシングがあってないと感じ、上りは
前の選手に置いていかれるが出力しすぎず、下りはレースペースでしっかりと踏んでスピードに乗
り、前の選手との差を再び詰めるというペースに自分で変える。その結果、主観的な強度も落ち
着かせることができた。先頭はVishal選手、2番手に自分がいた。10km手前で後ろを確認すると
ハンガリーの2名の選手がいない。(フィニッシュ後確認するとその十数km手前ですでにいなかっ
たようだ。)ラスト数kmでドイツの選手に抜かれたが、出力感に差がありついてけない。最終的に
そのままVishal選手と2人でバイクを終える。
ラン 1:53:28(25)
トランジションエリアとフィニッシュエリアは違う箇所に設置された。1周目は5.2km先の
フィニッシュエリアまで走り、そこを起点にし1周目を含めたコース8kmを3周回。ランコ
ースはアスファルトが1番多かったが、タイル等少し滑りそうな路面、また、石畳の登り
や砂の箇所もあった。天気は晴れていたが日差しは強くはなく、走りやすいコンディショ
ンだった。
補給食は変わらずKODA Energy Gel。1本をトランジッションエリアで摂取。ウエアにポ
ケットがないため、ランニングポーチを着けてそこに3本入れて30分毎に摂取した。また
、Electrolite Powder Lemon1本をポーチにいれて、15km地点で直に摂取した。エイドス
テーションでは水をもらい、ラスト3kmでコーラをもらう。
スタートして脚は残っていて走れそうな感覚。平坦コースは3:50/kmペース、石畳や砂のあ
るコースは4:20前後で4周回通してほぼ一定のペースで走ることができた。
2kmまでにVishal選手、ドイツの選手に抜かされる。往復箇所が多く、選手を何度も確認
することができるコースだった。前方にいる(おそらく)Christoffer Damm選手(DEN)に
少しずつ距離が詰まっているのを感じたので、その選手をターゲットに走る。石畳などの
タフな区間は焦らず、その区間を抜けてから再び動きを切り替えながら走る。Damm選手
とは少しずつ距離を詰めて3周目で抜いた。その間にラン序盤で抜かされたドイツの選手
も抜いていたようだ。主観的には最終周をペースアップしたつもりだが、ペースはあまり
変わらず30位でフィニッシュした。
まとめ
今回、30位/43人ではあったが、トップ選手と9.4%差でフィニッシュし、目標を達成す
ることができた。
スイムは全体的にタイムが想定内で泳ぐことができたが、パック内で泳ぐことに関してま
だ課題があるように感じる。
バイクも想定していたことではあるが、世界との大きな差を感じた。しかし、それを直接
肌で感じたこと、パックで走るという経験ができたことはとても収穫になった。また、後
半に自分の走りができるように修正できたことも良かったと思う。
ランは他選手と比べて、予想よりも差が開かなかったと感じる。前回の宮古島トライアス
ロンでは22km(/30km)で脚が痙攣してしまった。そして、今回のレースに向けてフォーム
の修正をかけてそれを実践し、今回、痙攣せずに自分のパフォーマンスを出し切ることが
できた。
前回のレースから3週間後の今回のレース。(3k-180k-42kではないが)、ロングディスタ
ンスを1ヶ月以内の2レースでどちらもしっかりとパフォーマンスが発揮できたことは凄く
自信に繋がった。世界に通用する選手になるため引き続き今シーズン強化、成長していき
たい。