レース名:IRONMAN Western Australia, Busselton
日時:2023年12月3日(日)
開催地:オーストラリア、バッセルトン
距離:ロングディスタンス(スイム3.8km、バイク180km、ラン42.195km)
天候:曇り/晴れ 気温:27℃ 水温:22℃
トライスーツ:CCN
ウエットスーツ:Hi-RIDGE
サングラス:ESS クロスブレイド
バイク:Cervelo Pseries
ホイール:DT SWISS(前輪ARC 1100 DICUT®80mm 後輪ARC 1100 DICUT® DISC)
補給食:KODA Energy Gel +エイドステーション糖質
給水:KODA Electrolite Powder +エイドステーション水、スポドリ
結果(/21人)
1位 Daniel BÆKKEGÅRD (DNK) 7:34:22
2位 Matt BURTON (AUS) 7:40:27
3位 Nick THOMPSON (AUS) 7:48:22
13位 寺澤光介 8:36:57
目標は初IRIONMANということで最後までしっかり走り切ること。タイム設定は特に設けなかったが8時間半くらいを想定して挑んだ。
スイム 0:52:08
水温が22℃以上あったがクラゲが多くウェットスーツ着用可となった。浜からのスタート。2周回コースだったが1周目は2190m、2周目はショートカットで1665m。1周目は沖へ410m、左へ曲がり浜と平行に1050m、左へ曲がり30m、左へ曲がり浜と平行に580m、右に曲がり120mで浜に上がる。2周目はスタート時よりも200mほど左の浜から入水。沖へ225m、緩やかに左へ曲がり140m、緩やかに左へ曲がり1周目のコースへ合流し浜と平行に570m。そのあとは1周目と変わらず左30m、左580m、右120m。
真ん中の位置からスタート。まずは入水して直進。左の選手が一番先行しているの見て、少しずつ左に寄りながら泳ぎ、選手の後ろにつく。しかし、ついた選手の前が空いていることに400m手前で気づく。その選手を抜かして前のパックを追いかけるが、そこから波のうねりが大きくなり、25mくらいの差を上手く縮められない。自分の後ろには数名の選手がついていた。「1300-1400m」地点で後ろの選手3人に抜かれる。その後ろにつき、4人縦1列で泳ぐ。「1600-1700m」地点で先頭の選手がペースを落として先頭交代。そこからその選手は2周目の「2700-2800m」地点まで引く。後ろについてかなり楽だったのでその間に回復でき、そこから自分が先頭に出て「3300m-3400」地点まで引く。そこで先頭交代し、選手の後ろについて10位(4人)でスイムを終える。
T1 0:02:42
バイクギアバッグにはボトルを一本とKODAジェルを入れる。ボトルはウエアの前面に入れて、ジェルは摂取。
バイク 04:31:51
1周90km平坦のコースを2周回。風は比較的強かった。折り返しやコーナーがいくつかあり、他選手との差が何度かわかるコース。エイドステーションは1周に4箇所。
・展開
前方にはNick THOMPSON (AUS)選手。また、乗車してすぐにMatt BURTON (AUS)選手に抜かれる。当初、他の速い選手にはついていかず、自分のペースを重視するレースプランだったのでマイペースに漕ぎ続ける。また、Harrison Wiles(AUS)選手にも抜かれて、10km地点では単独走。15km地点折り返し。先頭パックとの差はスイムの時点で4分差だったのがさらに離されている。自分が折り返して、後ろ2分差で女子選手が2人、その2分後に戸原開人選手を含めた4人ほどのパック。その後も折り返しで女子2選手、4人パックに距離を詰められていった。80km地点で女子2選手に抜かされ、2周目に入り4人パックに追いつかれる。「自分のペースを重視する」ということを変更してパックに乗っていく。女子選手も含めて8、9人ほどのパックになる。「そのペースが予定よりも高いパワーで出力しなくてはついていけない」、また、「ドラフティング規定内の位置でパワーをコントロールすることが慣れていない」ため自分でペースの上げ下げをしてしまい、無駄に出力してしまう。主観的にもかなりキツかった。140kmほどでパックが5人まで減る。150kmほどでパックのペースが落ちて、自分が前の選手に追いついてしまう。そこから15秒でドラフティングゾーンから抜けられず、後ろにいたマーシャルバイクにペナルティを取られてしまう。ペナルティボックスはバイクコース残り数kmに設置されていたのでそこまでは走行し続けられる。しかし、160km地点で腿を痙攣し、パックから切れてしまう。その後は少し集中も切れたのか出力も下がり、残りの距離は単独走。そして、最後にペナルティボックスに5分止まる。5分後、乗り出してそのままバイク終了。
・補給
20〜30分にKODAジェルを1本(糖質30g)、計10本摂取した。3本半分をフラスクボトルに入れて、それを2本用意しバックポケットに入れる。また、バイクのトップチューブのケースに3本入れておいた。ボトルは750mmlを2本用意し、どちらもKODA ELパウダーを2本ずつ溶かしておく。また、それに加えてエイドステーションで水を2回、スポドリを2回もらう。
T2 0:03:25
ランギアバッグにはランシューズ、靴下、サンバイザー、サングラス、ゼッケン(ポーチ付きベルト)、KODAジェル数本入れておいた。早くはなかったが比較的落ち着いていてランの用意ができた。KODAジェルを1本摂取してランスタート。
ラン 03:06:49
海沿い約10kmの平坦コースを往復×4周回。往路は追い風、復路は向かい風。エイドステーションは2km毎に設置されていた。
・展開
目標としてはサブ3をすること。15位でスタートし、1kmで前腿が痙攣するが走れなくなるほどではなかったのでそのまま走り、4:15/kmも問題なかった。1周目は淡々とペースを刻む。2周目に入り少し調子が上がってきた感覚があり、主観的には4:00/kmくらいまで上がっているだろうと思った。しかし、実際は4:10/kmだった。その時点で疲労が出ていると感じた。また、19km地点でマーシャルに止められる。バイク時2周目に入る際の折り返し地点を数十m手前で回ってしまっていたため、ペナルティを取られた。その場で1分止まり再スタート。3周目に入り、2周目の主観と客観のズレがあったので4周目にしっかり走れるようにこの周回は欲を出しすぎずにペースを抑えて走った。25km手前でLevi Haunwert(AUS)、28kmほどでHarrison Wiles(AUS)選手を抜き13位に上がる。しかし、その後30km手前でペースが落ち始める。腿が衝撃に耐えられない感覚とハムストリングスも痙攣しそうになる。ピッチを上げて衝撃を軽減させたり、誤魔化しながら走ったがさらにペースは落ちていく。また、ハムストリングスも痙攣し3回ほど止まる。最終的に5:00/kmまで落ちてしまったがなんとか順位はキープしたままフィニッシュ。
・補給
バイクと変わらず20〜30分にKODAジェルを1本摂取。ウエアのバックポケットに3本入れて置く。また、ランパートはパーソナルニーズを用意した(コース700-800m地点)。保冷バッグを置き、その中にジェルを4本、ポケットに入るくらいのボトル2本を凍らせて、大量の氷と一緒に入れた。ジェルは必要な分だけ、ボトルは気温が熱くなった時のために多めに入れておいた。1周目はパーソナルニーズにはよらず、2周目からジェルを1、2本取った。ボトルは1本だけ2周目に取る。また、氷もあまり溶けずに残っていたのでウエアの中に入れる。エイドステーションは基本的には水かスポドリを摂る。最終周はコーラも摂る。また、レース後半は糖質が足りてない感覚があり、エイドステーションのジェルも摂取する。最終的にはKODAジェル7本+エイドステーションジェル2本の計10本摂取した。
まとめ
今回、8時間半くらいを想定した中で、8時間36分でフィニッシュすることができた。予定としては、「ランがしっかり走れるようにバイクを自分のペースで走行する。」というレースプランだったが、バイクの2周目でパックに乗るという変更をし、予定よりもオーバーペースになってしまった。また、その影響かランも終盤失速してしまった。しかし、今回は結果的にその変更は良いチャレンジとなり、その判断をして良かったと思う。また、パックに乗ったことで、必要なテクニックも知り、どのくらい自分を強化していかなくてはいけないのかが5月のWT世界戦(イビサ)よりも実感できた。
また、ランで糖質が足りていないと感じたが、レース後に戸原選手と話して自分の摂取している量が他選手と比べて、少ないとわかった。もしかすると、今回バイクでの腿の痙攣やランでの筋ダメージ、痙攣は糖質不足によるものだったのかもしれない。
IRONMANのPROカテゴリーに出場して、「長い距離を淡々と」というイメージから「スピードレース」というイメージに変わった。バイク、ランに関して記載していることが多いが、スイムもスタートからパックが落ち着くまでハイペースでレースが展開され、やはりスピードが必要不可欠。
イメージが変わったこと、補給戦略の見直し、パフォーマンス向上への具体化など、今回のレースで多くのことを経験することができた。
今年のレースは終了し、来年のIRONMANレースは未定だが、そこに向けてオフシーズンにさらに強化していきたい。