東京都強化合宿レポート

寺澤光介

 

期間:8/15〜8/21 6泊7日

場所:長野県下高井郡山ノ内町志賀高原(標高1600m)

測定:毎日起床時、就寝前、トレーニング前後(内容による)にSPO2(血中酸素飽和度)を測定

 

15日(土)

移動のみ

 

16日(日)

起床時spo2:95%

トレーニング初日は状態確認重視。

起床、準備し、走る前にもう一度spo2測定で91%。動くだけで落ちてしまう。

  • 朝食前:ラン、30分ジョグ 、心拍120bpm

状態確認。息が少し上がる感覚。

  • 午前:バイク、1時間耐久走(FTP56-75%

低強度エアロビックゾーンでリラックスしながら。上り坂のコースでケイデンスも低くなってしまうので、低地でのトレーニング時との比較が難しい。トレーニング後spo2:91%

  • 午後:スイム、2時間、5100m、エアロビック

100m×6、1:20サークル。低地では心拍140bpm前後だが、今回心拍160bpmまで上がる。主観とのずれ(息くるしいが心拍は上がらない等)はない。spo2:85%

50×4本、1:00サークル、ハード4本目終了後spo2:75%、心拍171bpm。

就寝前spo2:95%

 

17日(月)

起床時spo2:95%

  • 朝食前:ラン、30分ジョグ 、心拍120bpm

昨日より身体が動きやすい。終了後spo2:97%

  • バイク:1時間半テンポ走(FTP76-90%

昨日の耐久走のコースとは別のコースだが山岳コース。登りのみではなく平坦、下りのコースになっても出力は変わらないように「ペダリングの切り替え」を意識。ダンシングはほぼ使わない。終了後spo2:85%。

  • 午後:スイム、1時間半、5000m、エアロビック

昨日と同じ100m×6で心拍数、spo2ともに変わらなかったが主観としては少し動きやすい。

50m×6、50秒サークル、2本ずつ上げていく。ラストハード終了後spo2:82%。

  • 夕方:ラン1時間ジョグ 、心拍120bpm

スイム直後だったので上半身の重さを感じるが後半になり、ほぐれていく。終了後spo2:97%。

(ラン終了後から夕飯まで30分くらい頭痛。夕飯後はなくなる。)

就寝前:spo2:95%。

 

18日(火)

起床時、spo2:94%

少し息苦しさを感じる。やや疲労感あり。

  • 朝食前:ラン45分ジョグ、心拍120bpm

走った感覚はあまり昨日と変わらないが、終了後のspo2が85%まで落ちる。

  • 午前:バイク1時間半、FTP(ftp91〜105%

2.2km上り、2.6km下りの周回コースを使用。上りはFTPで出力。下りはイージー。それを8セット。全セット設定内で出力。しかし、やはり上り坂なので出力の感覚が普段の平坦やローラーでのトレーニングと違い、ケイデンスも低く、心拍も上がらないので高地での変化など評価が難しい。また、坂でのトレーニングは同じパワーでもローラーや平坦の時よりも筋疲労は強い。メイン終了2分後spo2:92%。

午後:スイム1時間50分、LT(乳酸性閾値)

17日、18日のトレーニングを踏まえてLTゾーンのメイン。

100m×8、200m×4、400m×2。サークル1:20、2:40、5:20。設定1:15、2:30-35、

5:05-10。セットレストは長めにとり、マイセット切り替えて。100mはまだ

続けられる感覚があったが、200mの3,4本目、400mの2本目は上半身も固

まってきて力も入りづらい。これ以上ペースを上げたら潰れてしまうだろう

という主観強度。各セット終了後測定。100m[spo2:80%、心拍165bpm]、

200m[78%、170bpm]、400m[81%、173bpm]。

  • 夕方:ラン1時間15分ジョグ、心拍120bpm

昨日と比べると前半の上半身の重さもなく、リラックスして走れる。同じ心拍数で1kmペース約20秒速い。しかし、トレーニング終了spo2は低い。85%。

就寝前、spo2:95%

 

19日(水)

起床時、spo2:95%

息苦しさなどは特になく、起きやすい。

  • 午前:ラン2時間、LTゾーン確認

ジョグよりペースが速いトレーニングは今合宿では1回目。1周500mの芝トラックを使用。ウォーミングアップで1kmのペースが4分台まで上がると呼吸が荒くなる。1000m、2000m、3000mをレストを入れながら走る。測定でLTゾーンは4:20-30/km。スイムに比べるとランは主観と客観にかなりのずれがあった。主観としては4:20-30ペースはLTゾーンよりも低い感覚。

  • 午後:スイム1時間、リカバリー

強度は低いが、ドリルでテクニック、個人メドレーでエアロビック能力は維持する。

就寝前、spo2:95%

 

20日(木)

起床時

  • 午前:ラン2時間、8kmペース走

前回同様、ウォーミングアップ時に4分台に入り呼吸が荒くなる。4:25/kmで8kmペース走。心拍160bpm前後で安定し、息は上がってくるがきつくはない。終了後、心拍161bpm、spo2:91%。ペース走時は気付かなかったが、ダウンジョグで大腿四頭筋、外側広筋の強い張りを感じる。不整地でのペースコントロール時に無駄な力が入っている。または普段より遅い4:25/kmをブレーキをかけながらペースを落としている可能性がある。あとは、山岳コースでのバイクトレーニングの疲労も影響していると感じる。

  • 午後:スイム1時間、スプリント

25mのスプリント系メニューで高強度、高出力、スピードを出す感覚は忘れないようにする。しっかりと身体が動いてくれる感覚があり、調子は良い。

  • 夕方:バイク2時間、ローラー耐久走(ftp60%

2時間ベースライド。山岳コースばかりだったので、ローラーで普段(低地)との違いを確認する。心拍が120bpm前後になるように漕ぎ、結果普段より10 〜20wのパワーが落ちる。

就寝前、spo2:95%

 

21日(金)

起床時、spo2:94%

  • 午前:ラン1時間15分、400mインターバル走

ウォーミングアップ時の感覚は昨日と変わらない。400m×10本。昨日のスイム同様、スピードを出す感覚を確認する目的。各本数の繋ぎはウォーキングで特にレスト時間は決まっていなく、普段のトレーニングのタイムで走れるように呼吸が落ち着いたらスタート。前半の本数は心拍170bpm台でspo2は80%台。後半は心拍が180bpm台に上がるもspo2は逆に90%前後で落ち着く。前半と後半で心拍数とspo2の関係を見る限り、170bpmくらいまでの本来ならリラックスして運動できるゾーンのエアロビック能力に課題があるように感じる。

今回の合宿で高地で7日間生活、トレーニングすることで、他の選手よりもエアロビックのパフォーマンスが下がってしまうことがわかった。

しかし、ベース作り、エアロビック能力の向上に加えて、測定でいろんな確認ができ、課題も予想であったものがより確信になってきた。今後のレースに向けて、明確になった自分に足りない能力、また、レースに必要な能力を今回の合宿の測定で得た課題をターゲットにしながら改善、向上させていきたい。